HoLEP

これは、前立腺肥大症に対する新しいホルミウムレーザーによる低侵襲手術です。

実は、昨年ついに観念してこの治療を受けました。

思い返せば、2007年、前立腺の経直腸的生検を受けましたが、この頃、日本中で、「おしりかじり虫」の歌が大流行しており、忘れられない記憶になっています。

生検結果は単なる肥大症であったので、服薬を続けそこそこ良い状態を保っていましたが、1年ほど前より導尿を余儀なくされる事態が数回あり、一大決心をすることになったのです。

肥大は結構進んでおり、入院予約となりました。

火曜日が手術日の為、月曜日に入院。その日は術前検査と術式の説明、麻酔の説明となかなか忙しく過ごし、早々に就寝。

手術当日は6時起きで浣腸。9時に術場入室。

ここまでは覚えていたのですが、それ以降の事はマスクをあてられたのかすら記憶がありません。

術後も「分かりますか?」の麻酔医の声が聞こえたので、「大丈夫」と答えましたが、私の声はとても頼りなく、かなりしゃがれているのが自分でもわかりました。

術後の痛みは、実はこの事を私は一番心配していたのですが、思いのほか、というより全く無く、却って驚いた程です。ただし、その晩はむかつきが続いたのと、寝返りが許されないのも辛いものでした。翌日の朝も尿は真っ赤で、回診に来られた主治医から更にショッキングなお言葉。

「全部は取り切れなかったので金曜に再手術します。」

次の日、起き上がる許可が出たのですが、フラフラします。一日寝ただけで全く情けないと思っていましたが、貧血状態になっていたのです。「再手術は腰堆麻酔で行きましょう。」と、安心させてもらったのですが、それでもまだ怖かったので注射で眠らせてもらう事にしました。今度は手術時間も予定より短く済んだのですが、予想してはいたものの、目が覚めた時両足は全く動かず、腰から下の感覚も全く無いのは衝撃的でした。病室を回診してくださった麻酔医の説明は、「数時間で感覚は戻ってくるのでゆっくり足・腰を動かしていってください。」と言うものでした。そのように言われてもまだ少し不安もありましたが、翌朝にはほとんど感覚は戻っておりました。

その後、前立腺は順調に回復し、現在では日常生活に全く支障なく過ごせるようになりました。

という訳で、今回の入院は患者さんの気持ちにより共感できるようになったという点でもとても貴重な体験ができたと思っております。

院長 仁木俊平